歴史の授業から学んだこと


娘は現在イギリス系の学校に通っており、数日後からYear13。
日本でいう高3で、Aレベルの後半が始まります。

Aレベル(Y12,13)高校最後の2年間で選んでいるのは3科目のみ。
Y11の5月に中学卒業資格のIGCSE(内容は高校レベルとも言われる)を受けるまでは、ほぼ全教科を勉強します。言語は3言語(英語、中国語、スペイン語 or フランス語)。
娘は週末に日本語も勉強していました。(日本語は緩く、本人の意思に任せていました)

そして、高校最後の2年間で勉強するのが3科目のみ。多い子でも4科目です。
付いていかれなくなるので、学校は3教科を推奨しています。
この3科目それぞれが2種類に分かれているようです。

Y11で受けるIGCSEの結果と、この3or4科目で大学受験です。
別途外部試験を受ける場合もあります。
現在、娘が選んでいるのは歴史、生物、アート。

1週間の時間割に週1回のPE(体育みたいな)以外に、選択の3科目以外の授業はありません。
3科目を徹底的に2年間学びます。

最後までほぼ満遍なく学ぶ日本で考えると信じられないですね。

Aレベルの3科目を決める時には、将来使えたら有利かもしれない、という理由だけで経済学を選んでいましたが、新学期がスタートして1ヶ月で経済学は興味ないと感じたようで、好きな生物学に変更しました。

好きなことを深く学ばないと意味ないですね。
今では楽しくかなり突っ込んだ内容まで勉強しています。

Y12の学年末の歴史(2種類のうち)1つのテストの課題は2つ。
問題自体もいくつかの中から生徒が各自選ぶらしいです。

娘は中国、ロシア(ソ連)関連の問題から以下の2つを選択したようです。

『To what extent was Khrushchev and Brezhnev’s governments fundamentally similar?』

『How far can the historian make use of sources 1 and 2 together to conclude the role of Jiang Qing/Madame Mao in the years 1949-1972?』

アートの試験は3日間かけて15時間内にA1サイズの巨大なキャンバスの作品を完成させます。

アートは1年かけてのテーマが決まっており、2021年9月新学期から2022年6月の学年末までのテーマがAbove and Below。
『上と下』これに繋げられればどんな発想でも良い。
正解不正解はない。大事なのは感性、説得力、表現力と技術。


同じ学年のアート専攻者は、

・女性性/男性性

・金縛り

・バクテリア

・食物連鎖

・ヒエラルキー

・鬱

・環境問題

など、『Above and Below』という課題から自分でテーマを決め、調べて深掘って落とし込み、これを説得力のあるアートとして表現する、ということらしい。

娘の作品は見ていないけど、娘が考えたテーマは『女性性/男性性』

題材として夫が女装風をさせられて写真撮らされてました(笑)

どう使ったかは不明ですが。

そして、先日たまたまついていた日本のテレビでのインタビューのコメントを聞いた娘は

『なーんか、台本通りって感じ』と。

その反応に

『お?!』

と思った私。

歴史の授業で、レーニンの時にはすでにメディアを使ったプロパガンダで民衆を洗脳してコントロールする方法が使われていたと習ったとのこと。

歴史も同じ史実でもどこから見るかで全く違う物になる。

それを知ってからSNSも全てがウソに見えてくる、、と。

素晴らしい!!

考えさせ、自分の意見を述べる授業構成ではあると思うけれど、海外だからみんながこのような授業を受けているわけではないと思いますが一例として。

特に、歴史を選択していたから突っ込んだ内容まで学んでいるのかもしれません。

メディアに流されるのではなく、多角的に見て検討して自分で精査、判断できる大人になってほしいものです。

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