9割が細菌

『あなたの体は9割が細菌』

要約ではなくピックアップ。詳しく知りたい人は本読んでください(笑)

あなたは『あなたの中の微生物が』食べた物でできている

現代は普通ではない状態(肥満、アレルギー、糖尿病など)が増えすぎている。なぜか。

人はあらゆる伝達物質を使って、自分の遺伝子のオン・オフを決めているが、微生物も各自のニーズに合わせてヒトの遺伝子の一部に命令を出している。

性ホルモンに相当する物質にも影響を与える。

生きた細菌を食べると幸福感が増す。

気分の調節を司る化学物質セロトニンは主に腸にある。10%は脳にあり、気分や記憶を調整している。

生きた細菌を食べるとトリプトファン増加→

(トリプトファンは幸福感を得るのに欠かせない物質セロトニンに直接変換される物質)

うつ病患者はトリプトファンの血中濃度が低い

トリプトファンを含むタンパク質をあまり食べない国は自殺率が高い

トリプトファン不足はセロトニン不足を意味する。

細菌はトリプトファンを破壊していた免疫系の過剰反応を抑える。

アレルギーや肥満だけでなく、うつ病も免疫系の機能不全なのかも。

遺伝子だけでは何もできない。個体あってこそ。個体は微生物を含む。個体は微生物と共に進化するししてきた。両者は共に選択し合ってきた。

清潔に育ちすぎた赤ちゃんは体内微生物層が少ない。

分娩時の妊婦性器消毒が微生物を減らす最初の原因となっている。

免疫系の健全な発達には多種多様な共生微生物による正常なコロニー形成が不可欠。

体内の有益な微生物達は自分達が敵認定されないように免疫系に発信し、体内でバランスを取っている。

肥満やアレルギー、自己免疫疾患、心の病気などの現代の病気と微生物との関係

幼児期に抗生物質を使うことはかなり危険。その子の代謝を永久に変えてしまうことになる。

2歳までに抗生物質を受けた子供はのちに喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症を発生する率がニ倍上がる。抗生物質を受ければ受けるほどアレルギーになりやすくなる。自己免疫疾患も同様。

1型糖尿病の引き金を引くのは感染症ではなく、感染症治療のために過剰処方された抗生物質、もしくは感染症と薬の組み合わせが原因かもしれない。

腸内細菌層の乱れだけではなく、私達の食べるものの乱れも大きい。

新鮮な食材ではない、添加物まみれの加工品や腐らない食品が問題。

微生物はその人の食の嗜好ををもコントロールする。微生物が食べたい物の方へ人を誘導する

赤ちゃんの時に母親と引き離されたり、愛する人を失ったりするトラウマ的な出来事があると腸に隙間ができる(リーキーガット)になることがある。

抗生物質の乱用(家畜飼料も含む)が腸内細菌叢の乱れにつながり、肥満、アレルギーなど自己免疫疾患に繋がっている可能性がある。

大腸は微生物の力を借りてヒトに必須なビタミンを合成させ、吸収する。中には微生物の力を借りなければ栄養摂取ができない場合もある。

幼い子供には特に抗生物質を摂取することが深刻な影響を与える

食や食べ方が変わるにつれ病気が増えている現実。

日本に限らず、低脂肪、低炭水化物食に戻せば微生物の組成比バランスが整い肥満も減るのではないか。

食べたもので微生物組成比率が4日もせずに入れ替わる。(ベジタリアン→肉食に変えた実験)身体すごい!

重要なのは微生物そのものではなく、微生物が食物繊維を分解する時に出す物質短鎖脂肪酸である。

腸壁を強固にするのに必要な条件は2つ。正しい微生物と微生物の餌となる食物繊維

炭水化物は、小腸で吸収されるか、短鎖脂肪酸に変換されあとに大腸で吸収されるか、が重要。

なぜ不耐性の人が多いのか。ある成分を悪者であるかのように扱う不自然さ。グルテン、カゼイン、ラクトーストを消化できない人が増えたのはごく最近。問題を起こしているのは食品ではなく、身体の方だ。栄養成分はどれも単体で作用している訳ではなく、プラスマイナス両面があり、複雑に関係し合っている。

胎児は外界の微生物からも母親の微生物からも守られている。破水と同時に微生物の入植が始まり、産道を通る時に微生物シャワーを浴びる。産道から顔を出す時、膣内の微生物とは別のまた別のタイプの微生物を受け取る。誕生直後に母親の糞便から微生物を摂取する。

赤ちゃんは顔を母親のお尻の側に向けて頭から先に出てくる。母親が次の陣痛に向けて体を休めている間に赤ちゃんの頭と口は微生物摂取に絶好のポジションになる。

問題は産道を通らなかった赤ちゃん。命の危険などやむを得ない場合もあるが、最近は経膣出産は時間がかかる、などという病院側の都合や、帝王切開が主流の国もある。アレルギーを発症しやすい、感染症になりやすい、自閉症になりやすい、肥満になりやすいなどのデータもある。しかし、水中出産ならどうなのか、破水せずに羊膜に包まれたまま生まれた子はどうなのか、など分からないことは多い。

大腸内の微生物は母乳に含まれる微生物や細菌層をも調節している。しかも産後経過数により母乳の微生物や細菌層の内容を変えてくる!

出産方式により、母乳に含まれる微生物が変わる!

陣痛が来てからの帝王切開と、計画的な帝王切開とでは母乳内の微生物が違う。陣痛がくることで、赤ちゃんに送るために腸内から乳房の方へ微生物を移動させていると考えられる。

粉ミルクで育った赤ちゃんの腸内微生物は母乳の赤ちゃんよりも多い、が偏りが大きい。分娩、母乳、と段々と選び抜かれた微生物を増やしていくのが理想的。

しかし、3歳頃には母乳か粉ミルクかに関わらず、微生物層は環境や食べ物に合ったものに変わっていく。

帝王切開と粉ミルク育児が乳幼児のマイクロバイオータに大きな影響を与える事になる。

サプリで摂るプロバイオティクスってどうなの?免疫系の働きを健全な方に向かわせるなんらかの効果を有している。が、気をつける点がある。

  1. どんな菌種、どんな菌株が含まれているか。表記されないし実際何が入っているかは分からないことが多い。
  2. どれだけの量の細菌が入っているか。
  3. 細菌がどのような形状になっているか。粉末、錠剤、ヨーグルト、飲料、どれだけ効果があるか不明。逆に不健康に傾く可能性さえある。プロバイオティクスは一過性に過ぎない。細菌の餌であるプレバイオティクスの有用性。

糞便移植について

便利さや医学の進歩は人をも救うが、新しい技術は日々人体実験でもある。

少なくとも帝王切開の場合、膣母親の微生物を赤ん坊に塗布するべき。

私達の身体から微生物を除いたら10%のヒトにしかならない。

面白かった。人間の身体は素晴らしい。完璧だ、という結論しかない。

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